トロントで日本人に会うと、ほぼ例外なくなぜトロントにいるのか、いつからトロントにいるのか、という話になる。当たり前といえば当たり前だ、それくらいしか共通の話題がないのだ。

トロントに住んでいる多くの日本人はワーキングホリデービザで滞在しているので、何も言わないと「ワーホリさん（ワーホリで来ている人をこう呼ぶ人がいる）」だと思われる。だから、私がトロントに来てもうすぐ3年です、なんて言ったりすると、どうやって！？と質問される。

でもその答えは簡単で、私は政府公認の公立Collegeで2年間勉強したので、卒業するともらえる3年間カナダで働けるPostgraduate Work Permitを持っているのだ。だから2020年までカナダで合法的に働ける。

こう答えると、反応は大体2つに分かれる。なんでまたそんなことを！？と言う人と、羨ましい！と反応する人である。ワーホリさんはトロントに来たことで日本の魅力を再発見し、早く日本に帰りたいと願う人、トロントの魅力に取りつかれ、どうにかしてトロントに残ろうと方法を模索する人に分かれるらしい。

私はほとんどワーホリさんに会う機会はないけれど、たまに会うワーホリさんは圧倒的に前者が多い。みんな早く日本に帰りたいらしい。じゃあなぜトロントにわざわざ来たのだ、と突っ込みたくなるけれど、突っ込まない。ほとんどの人が英語上達のためと答えることが予想されるからだ。一方で、私がトロントに残りたいというと、なんでまたそんなことを、と変な人を見る目で私を見た挙句、日本とカナダを比較してカナダが優れている点についての意見を求められる。マイノリティの私はみんなから質問されるのだ。私としては私の感覚が他の人と違っていても特に気にしないのだけど、ワーホリさんは気になるらしい。興味津々に質問し、私を論破しようと試みる。

同じ日本で生まれ育って、同じカナダに来た人たちなのに、全然感覚が違うのが面白い。それにしてもカナダへ来て日本の良さを実感して帰国するワーホリさん達は、日本を出国した時よりさらに日本を好きになっているはずなので、日本国において財産だなぁと思う。

と、こんな日常を送っていたのに、先日お会いした元トロント在住で現ニューヨーク在住の方は、私以上にトロントへの愛を持っていてなんとも嬉しい気持ちになった。ここまでトロントを愛している人はこの人以外にはいないのではないか、と思うほどのトロント愛。トロントの良さについての話ができて、なんだか嬉しかった。

ここで少し私が思うトロントの良さを挙げておきたいと思う。

• 様々な人種の人がいるので外国人であることをあまり意識することがない
• 人と違うことに寛容
• 適度にフレンドリー
• 適度に親切
• 人生を楽しんでいる人が多い雰囲気
• のんびりしている
• ダウンタウンがコンパクトなので移動が便利
• 高層の建物が少なく空が広い
• 自然が近くにある

こう書くと大したことがないように思うかもしれないけれど、とにかくトロントは良いのだ。正直なところ、1週間旅行に来たからといってこの良さがわかるかどうかは保障できないが、私はトロントを愛しているし、これからもここを拠点に生活できれば良いなと思っている。もっと多くの人にトロントの良さを知ってもらいたいものである。

トロントで日本っぽいところ。シェラトンホテルの中庭。

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